詩 「無駄」

 「無駄」

(詩・小野省子 『おかあさん、どこ』より)


「私の人生に無駄なものなど一つもない」

そんな よく聞くセリフを言うような人は

傷つきやすい臆病な人間だ


散らかった部屋の真ん中で

うっかり赤ん坊と一緒に寝てしまい

目をさましてから 頭をかかえて後悔

流しの中に積まれた食器

かごいっぱいの洗濯物

そんなものさえ 

何かの糧になっているんだと思わなければやっていけない

そんな 自分を責めることに臆病な人間


私はそういう幸福な人間をめざそう

「無駄なものなど一つもない」

そう自分に言い聞かせながら

平安の日々を手に入れよう


※松居和先生から「おかあさん、どこ」(詩・小野省子さん)という小さな詩集をいただきました。20冊程ありますのでご希望の方に差し上げます。ご希望の方は有馬までお声をかけてください。


2018年10月05日

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